食べたものが鼻から出てくるなんて インプラント治療を終了された伊藤擴充様
おおがかりな治療を終了し、現在メインテナンスのため通って下さっている
伊藤擴充様をご紹介します。
とっても背の高い伊藤さん。
当院の玄関をくぐる時かならず頭を少し下げて入ってこられます。
いつもニコニコと穏やかで優しい声をスタッフ達にかけて下さる紳士です。
伊藤さんが歯の異変に気がついたのは
ある日突然のことでした。
歯がポロリと抜け落ちてしまったのです。
それまで自覚症状は、まったくありませんでした。
当院にお越しくださり
診断は、「歯周病」。
しかも、歯周病が進行しているにもかかわらず歯を抜かずにそのまま今まで通り噛んでいたため
骨を支える骨はどんどん溶けていました。
歯槽膿漏という言葉とイメージはご存知でしたが
「まあ、そこまでたいしたことはないだろう」程度に考えていました。
歯周病が進行している場合
本来であれば、お食事の際によく噛んでしまってはいけません。
「よく噛んで食べなさい」とはいわれますが、歯周病が進行している場合は
噛んでしまうとますます歯や骨に負荷がかかり
骨が溶けてなくなっていってしまいます。
上記写真をご覧下さい。
ある患者さんの骨の模型です。
右上に穴が空いている部分があります。
鼻の部屋と口を仕切る硬い壁(骨)に穴があいてしまっているのがわかります。
伊藤さんもやはり
何も意識せず、普段通りにお食事をなさっていました。
その結果、歯の根っこが鼻の部屋にまで地盤沈下を起こし
鼻と口とをふさぐ壁を突き破ってしまったのです。
鼻は息を吸うところ
口は物を食べるところ
鼻と口は機能が違います。
その機能が違う場所が穴があいてくっついてしまったのです。
鼻の部屋と口は、食べたり飲んだりしたものが鼻に流れ込まないように
大きな壁で仕切られています。
仕切っている壁は、骨です。
その骨が、歯周病によって溶かされ穴があいてしまいました。
鼻の部屋と口を仕切る壁に穴があくとどういうことが起こるか?
伊藤さんはこうお話して下さいました。
「ご飯を食べてても、食べたご飯が鼻から出てくるんです」
「うどんも、同じです」
「うがいをしていると、うがいした水が鼻から出てきてしまうんですよ」
想像がつきますか?
上記写真右は歯を抜いた後の状態です。
穴が空いています。
小さい時は自然に封鎖されますが、大きく骨に穴が空いてしまうと自然には塞がりません。
この穴は放置して自然にふさがるものでは、ありません。
空気が通り、食べた食事が入り込んでしまいますので
穴は塞がらずひろがる一方です。
もっともっと穴が大きくなっていきます。
伊藤さんの治療はおがかりなものでした。
まず、歯周病が奥深くまで進行していたため歯を抜きました。
奥深くまでバイ菌が侵入しているため歯を抜き、菌を除去します。
歯を抜いた傷の炎症が落ち着くまで数ヶ月待ちます。
その後、つながってしまった鼻の部屋と口の穴を塞ぐ
上顎洞口腔瘻閉鎖術という手術を行いました。
その後、インプラントを無事埋入し、
現在は、鼻の部屋と口は骨ではなく粘膜で塞がっています。
また、治療の経過の中で
入れ歯を入れる
という時期がありました。
その時期のことを
こうお話されました。
「とにかく、噛めない、食べられない。
世の入れ歯を使われている方は多かれ少なかれこんな不快さや、苦痛を味わっている」
噛めないって、ではどれほど噛めないのか?
とお聴きすると
食事することができたのは
柔らかいお豆腐
高野豆腐
雑炊
あとは、流動食のようなもの
です。
まさか、こんなに噛めないとは想像もつかなかった。
歯はなくしてみないとわからない
入れ歯を入れて噛んでみないとその不快感や噛めない感じは
体験することはできないでしょう
としみじみお話して下さいました。
伊藤さんはこうおっしゃられます。
「インプラント治療をして、その費用をみんなに言うと驚かれます(笑)
しかし、あと30年生きるとした時、
入れ歯のあの苦痛を背負いながら毎日を過ごすのか
インプラントにしてもう一度自分の歯のように食事ができるのかを
一年の費用がいくらか?一日あたりいくらか?にして割ってみました。
そうすると決して高いものではありません」
今、伊藤さんは歯の大事さをしみじみと語って下さいます。
そして定期的にかならずメインテナンスにお越し下さいます。
本当にお疲れ様でした。
最高の笑顔でお写真頂きました。
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